店舗内装で失敗しないためにおさえておきたいポイントとは

店舗内装というと壁紙の張替えやインテリアの変更を考えるものです。しかし実はこれは新しい顧客を獲得するためのチャンスでもあります。店舗内装のコツを把握すれば人気店になることも、夢ではありません。

店舗内装では、いろいろなことを考える必要があります。厨房機器、照明、インテリアなどあらゆる点にベストを尽くそうとすると頭は混乱してしまうものです。店舗内装には考えるべきコツがあります。それをしっかりと把握しておけば、難しいことはありません。自分の理想とするお店を実現するためにも、店舗内装にはこだわりを持って設計と作業を行う必要があります。

店舗の「コンセプト決め」から全てのアイデアが生まれる

店舗内装

飲食店なら味、美容院なら技で顧客は店舗を決めていると考えていませんか。確かに、そういった一面があることは否定できません。ですが、これほど多くの店舗がひしめき合う現代では、値段に極端な変化がありません。

入ってみたくなるお店は、お店の雰囲気や清潔感、内装の美しさによって決定されるものです。確かに一見してみたときは、お洒落で不思議な空気を演出しているお店のほうが、顧客のワクワク感が刺激されるものでしょう。

店舗内装は、今やスマートフォンのカメラ撮影を意識せずに作り上げることが難しい状況です。きれいで滅多に見られない店舗内装は、顧客の利用している各種SNSであっという間に広がります。優れた、美しく珍しい店舗内装はそれ自身がお店の宣伝を行ってくれることを覚えておきましょう。

そのためにコンセプトデザインを決めるのは非常に大切なことです。こうした場合、アイデアは書き出しを行うことが大切となります。優れた設計者や設計会社にコンセプトを相談すれば、それまでの実績から数多くの実績をたどり、最良のデザインを提供してくれるからです。

こういう顧客が、いつ、どのような気持ちで来店するかといった細かなコンセプトやアイデアも、出来るだけ伝えるようにすべきです。本人にとってはその場で思いついたアイデアであったとしても、店舗内装のデザインに役立つことがあります。

コンセプトは、店舗のお店の場所によっても異なるものです。人の多い駅前では席数を増やし、明るいイメージが好まれます。しかしやや離れた隠れ家的レストランなどの場合は、照明の灯りは落ち着く程度にまで抑えられ、ゆっくりとくつろげる環境づくりが大切となるものです。 自分のお店をどのようなカラーにしたいのかは、自分自身で決める必要があります。

その店舗内装で従業員は動きやすくなるかを検証

店舗内装は内装デザインを決めるだけではなく、実際に顧客やスタッフが動きやすいかをシミュレーションする必要があります。レジ・インテリア・厨房は全体的に調和させることで、統一感と清潔感を与えるものです。

この3か所は基本的にいつも忙しい動きをしています。だからこそ、動きやすいように動線を考慮することが大切なのです。 最も清潔でデザインに凝った場所は、レジ売り場に設定することをおすすめします。レジ部分は顧客が必ず通過する場所です。

また、食事をする場所と金銭の受け渡しをする場所は、離れているほうが好都合と考えられます。入り口付近に構え、従業員がすぐに対応が出来るように動線を考慮する必要があります。 店舗の規模にもよりますが、出入口付近は混雑が予想される場所です。だからこそ、広めに確保することが重要となります。

出来るだけ誰もがスムーズな行動が出来るように、店舗内装を設計すべきです。広々とした場所であれば、お客さんに土産などショップアイテムの販売もあわせて行うことが出来ます。特別、必要がないものでも入り口または出口に置いてある商品は、ちょっとしたアイテムでも「買っていこう」と思われやすいものです。

理想は従業員からの距離も近いという点があげられます。お会計を待たされている顧客は、不満をつのらせやすくリピーターとしての利用が見込めないものです。スムーズな会計であれば、顧客の満足度はぐっと上がります。

対応が素早い店舗の場合、「また行きたい」と思う人は増加するものです。 自らレジに入り、広さや入りやすさを確認することでより良い店舗内装に近づけることも可能です。実際の従業員がどれくらい動きやすいかを考え、動きにくい部分は改善すべきと言えます。

厨房の動線は、調理・片付け・提供がかぶらないように工夫する

店舗内装

厨房は、最も従業員の動線と動きやすさを考慮しなければならない場所です。厨房はランチやディナーの時間を迎えると、混雑状況が激しくなります。わかりやすく動線を作る場合は、調理・片付け・提供の従業員それぞれの動きを想像してみましょう。

同時に、コンセントの位置や台所の位置も配慮に入れるべきです。 台所周辺で最も動きが多いのは調理師となります。調理師がいつでもコンロ前や食材の下処理が出来るスペースをあえて設けると、料理の仕上がりが早くなるものです。

食器を置く場所をあらかじめ決め、用意をしておけばそのまま顧客のもとへ運ぶことも出来ます。 片付けスタッフと提供スタッフは、お客への配膳に関わる分野です。そのため動きがかぶることが多く、料理を落とす、皿を割るといったアクシデントが発生しやすくなる難点があります。

配膳スタッフと後片付けスタッフの動線は、あらかじめ近すぎる状況にせず、あえて離すことも店舗内装工事の際には検討しましょう。特に配膳スタッフがお客様の場所に料理を持っていく際には、誰も近寄ることがないスペースがあるとお店の稼働時間がアップします。

混雑した場合のシミュレーションも行い、互いにぶつかったり事故を起こすことがないよう注意出来る動線確保につとめることが大切です。 配膳スタッフが顧客の食べ終わった皿を置いて、片付けをお願いするスペースがあるとよりスタッフの仕事がはかどります。

同じ厨房で働くスタッフとは言っても、手掛ける仕事の内容に応じて動く範囲が全く違ってくることを、店舗内装を実施する際には把握することが大切です。実際にスタッフの動きを観察しながら、好ましいレイアウトを考えると良いアイデアが浮かぶことがあるでしょう。

店舗内装の仕上げは「照明」がものを言う

インテリアや照明は、店舗の雰囲気やイメージを大きく左右します。コンセプトの段階では、出来るだけ必要となる資材や椅子・テーブルといった使用するアイテムについて考えることが多いものです。ところが、それらをより魅力的に、写真映りを良くする商品が照明となります。 高級店を目指すのであれば、高い天井に明るい照明を設置し、店舗内装もゴージャスなものにするべきです。

しかし、近年流行しつつある「隠れ家的」な場所をキーワードとすると、あえて天井を低くして照明の明かりをオレンジなどの暖色系にする必要があります。 お店の顧客の回転率をとにかく加速させたいという場合は、明るく眩しい照明を使うと便利です。隅々まで見渡せるうえに、長い滞在には不向きな強い光が差し込むため、顧客の開店が良くなります。

このとき、注意したいところは色彩効果によって料理がおいしく見えたり、イマイチに見えることがあるという点です。どのようなサービス、どういった食事を提供するお店なのかコンセプトを基本に考えることで、適切な照明を選ぶことが出来るでしょう。近年ではSNSで美味しい料理をアップロードしたいという顧客が増えています。

そのような場合、出来るだけ画像はSNS向けに派手で美しさをアピールするものが好ましいものです。 SNSにひんぱんに食事内容をアップロードすることは、主に若者がやりがちな行為です。実際に自分のお店はどの年齢層にアピールしたいのか、若者にどの程度配慮する必要があるのかを考えて、照明を選びましょう。適切な照明がわからない場合、照明器具店で各アイテムの特徴をヒアリングすることも出来ます。店舗内装全体にとって相応しい照明を、時間をかけて選ぶことがおすすめです。

顧客がまた来たくなるような明るさと配色を構築

店舗内装

店舗内装で注意すべきポイントは、全体の配色バランスでしょう。店舗内装の配色は、顧客の第一印象を大きく揺さぶるものです。あまりにも色の数が多いと、顧客の気持ちが落ち着かず居心地が悪くなってしまう可能性があります。そのためにも、色は大まかに3色まで店舗内装に用いるべきです。 飲食店であれば、食欲を減退させるような「青」はおすすめ出来ません。

ナチュラルな「白」はどのような場面でも使える便利なカラーですが、一色だけにすると地味な印象を与えます。店舗内装コンセプトをふりかえり、アクセントとなるカラーを見つけることで「白」の清潔さや美しさを引き出すことが可能です。

このような色使いのプロフェッショナルは、カラー検定保有者や空間デザイナーと呼ばれています。専門家の意見を聞きながら配色を進めることで、顧客の満足を引き出すことが可能です。食器や小物まで統一感を出すと、可愛い、愛らしいと利用者の間で評判になることがあります。

照明は色をある程度変えてしまう力があるので、実際の色合いは店舗で照明をつけた上で確認を行うことをおすすめします。くすんでしまったり、影が出来てしまうようではお料理そのものも美味しそうには見えないものです。

空間デザイナーやカラー検定保有者は、食欲の出るインテリアや配色を心得ています。同じようにリラックス効果のある色の組み合わせや、気分の高揚をうながすカラーも存在するのです。 自分の目標やコンセプトを見失ってはいけませんが、わからない部分は専門家にヒアリングを実施して乗り越えるよう心がけましょう。

専門家の実績やこれまで手がけた店舗内装画像があれば、それらを参考にしてお店作りを考えることも大切です。

店舗内装はただ壁紙をきれいにしたり、アイテムを新品のものにするといった行為ではありません。よりターゲットとする顧客を獲得するために、効果的な色合いやインテリア、照明を探すことが大切となります。実際に顧客を入れる前に、自分や身近な人間を店内に入れて確認作業を行いましょう。自分の目が悪い場合や、光を捕らえづらい場合は特にそのような気遣いが必要となります。